日 程 2011年7月15日〜18日 メンバー 10名
行 程 八ヶ岳・本沢−硫黄岳−山びこ荘−中山峠まで縦走−しらびそ小屋−稲子湯
2011年3月11日の東日本大震災は、未曾有の被害をもたらしました。
探足会の友人の中にも現地在住で、この災害に直面したものもいました。幸いその友人たちには、深刻な被害は無かったものの直近まで津波が押し寄せ、彼の友人知人には多くの被害がありました。
今回は、現地の友人とともに、旧交を温め、無事を喜びあう会として山行を計画しました。
コンセプトは、「ゆっくりのんびり温泉とモモンガ」です。
<7/15(金)>
先月に続きまた八ヶ岳を目指す。
三重・名古屋・静岡方面からは車で6名、宮城・千葉方面からはJRで4名が、小海線・松原湖に集合。
早速3台の車に分譲して登山口へ向かう。1台は乗用車のため分岐の駐車場へ置いて、2台でゲートまで向かうが結局そのうち1台は、途中の広いところにおいて1台のみに荷物を載せて歩くことになった。
クリンソウが出迎えてくれた |
おなじみの本沢露天風呂 |
本沢のご主人夫妻を囲んで |
ゲートからはおしゃべりしながら、のんびり山道一時間あまり、16時本沢温泉に着く。
直ちに露天風呂へ。計画書には水着必携と書いておいたのに、女性参加者4名のうち水着持参は1名のみ。
あとは足湯だと言って足だけ湯に浸けている。期待していたわけではないが、なにか残念である。夕食では、震災の実体験が語られた。自分自身が助かったけれど、知人友人大勢が犠牲になっているので率直に喜べないとこと。
被災地を記録するため、数千枚の写真を撮ったが、悲惨でとても人には見せられないとのことであった。
直接的な支援はできる人もできない人もいるが、スーパーでのつり銭1円玉でも良いので、義援金に回してくれれば良いとの話もあった。
ボランティアに行ったメンバーからも深刻な話を聞き、改めて現在進行形の災害の大きさに心をうたれるひとときでだった。とは言っても、これまで山で培われた愉快な仲間たち。積もる話、楽しい話と宴会は延々と続いた。
山びこ荘の餌場に来たウソ |
ヤマネも来た |
念願のモモンガが撮れた |
<7/16(土)>
朝の露天風呂へ行くメンバーもいる。
今日は、夏沢峠までのゆったりコースなので、あわてることは無い。
出発は1時間くらい延ばしても良いと言ってあったが、結局予定通り8時に出発。1時間あまりで夏沢峠。山びこ荘は外壁を修理していた。モモンガは大丈夫なのか。
ここに荷物を置いて、硫黄岳を登る。足の弱いメンバーはここで昼寝。天気は抜群に良い。硫黄岳はいつ登っても風が強いところだが、今回は快晴でほぼ無風。大勢登ってきていた。
これまであまり気がつかなかったが、コマクサも沢山咲いている。
また、前回登ったときに、三角点を探したがわからないままだったが、今回やっと見つけることができた。
今まで、標高の高いあたりを探していたが、若干低い避難小屋の近くの平らなところにあった。
しかも「御料局三角点」とある。相当古いもののようだ。13時山びこ荘に戻って遅い昼食。メンバーの一人が餅を網で焼いてくれた。
醤油に海苔巻きは山でも良く合い相当旨い。
時間があるので夕食までのひととき、 恒例の川柳大会 をやることとした。
お題は「空」と自由題、メンバーそれぞれ四苦八苦しながら、迷句・珍句の数々をひねり出す。夕食後はモモンガのお出ましに備える。各自カメラを構えるが、なかなかでない。やっぱり外壁を修理しているからか。
小屋番の話では、昨日は7時頃出てきた。今日出るか出ないかは5分5分だと言う。
結局部屋の中へはこなかったが、窓の外の餌場へヤマネが来たのを観察できた。しかしなかなかうまく写真が取れない。
夜9時あきらめて就寝。しかし同宿の人は10時まで粘ってモモンガを撮ったとのこと。
快晴の硫黄岳山頂 |
外壁工事中の山びこ荘 |
縦走途中の天狗岳 |
<7/17(日)>
翌日4時前早起きして、窓の外の餌場を観察、ヤマネ、モモンガが現れて餌を食べている。
かろうじて写真に取ることができた。
今日は、稜線を中山峠まで縦走する。天気は最高であり、快適な稜線漫歩ができそう。
しかし探足会チーフリーダは車の回送のため、ゲートまで直接下山しなければならない。(泣)
私用で早々に帰らなくてはならない3名とともに、昨日登った道を降りる。早期帰還者を無事送り届けたあと、稲子湯に車を回送する。
しかし他のメンバーが下山するまでには相当の時間がある。
どうせならと、稲子湯下山口に車を止めたあと、しらびそ小屋まで迎えに登る事とする。
彼らは6時に出発したから、おそらく昼前にはしらびそ小屋へ着くと思って急いで登る。
10時半しらびそ小屋着。小屋のラーメンで腹ごしらえしながらメンバーの到着を待つ。
黒百合ヒュッテにて |
中山峠、ここから下る |
煙たなびくしらびそ小屋 |
しらびそ小屋もまた自然豊かなところで、リスや野鳥のウソが餌場にやってきていた。
そうこうしているとカモシカの親子も現れた。盛んにシャッターを切る。
しかしメンバーは現れない。いい加減痺れを切らした頃、12時40分やっと現れた。
天気が良いので稜線で相当のんびりしてきたらしい。黒百合ヒュッテへも寄り道してきたとのこと。
確かに今日の行動予定でも相当余裕をとってあった。なにしろ天気が良かったのでそれも良いだろう。
しらびそ小屋でもさらにのんびりして、稲子湯へ下る。14時20分着稲子湯は秘湯とは言っても、路線バスの通うれっきとした温泉。
今日は山小屋でなくちゃんとした料理にふかふかの布団で寝ることができる。
温泉後の宴会に話は尽きず、酔いはまわる。
しらびそ小屋に来た本土リス |
カモシカの親子も現れた |
稲子湯で最後の宿泊 |
<7/18(祝)>
翌日、早朝の朝風呂から上がってくると宿の女将が「優勝した」と言う。
そういえばなでしこジャパンの決勝戦だった。
繰り返し放送される優勝までのハイライトを、みんなでテレビにかじりついて見る。今日はお別れの日、諏訪まで足を伸ばし、原田泰治美術館を訪れるととした。
行ってみると、開館記念日で今日だけは無料とのこと。予想してなかったので非常にうれしい。
素朴な原田泰治の世界に触れ全員感動。その後上諏訪駅近くの蕎麦屋(とみや)に行き昼飯とする。
ここは以前蓼科山を登った後、諏訪で1泊した旅館で勧められたところ。小さな店だか結構うまい。昼食のあと電車まで少し時間がある。どうしようかと思ったが結局、先の原田泰治美術館が無料だからその中の喫茶店へ行こうと言う話しになり、再び美術館まで戻りコーヒーを飲む。窓口のひとは笑っていた。
そうこうしているうちに東北方面のメンバーを上諏訪駅で見送り、今回の山行を無事終了することができた。