11.8.2増設
雲眺め津波の色と友は言い         勝 美
雲眺め雲をお題に句をひねる        凡珠嶺
震災でみまかりし友雲の上         陽 一
雲は行く地震津波を下に見て        落花生
雲一つなくてよろしいヘドロ掻き      幸 次
あの雲は昭和の空にもあったもの      都和子
白い雲おれは本当に泣いている       幸 次
川柳の苦しみ知らず雲は行く        落花生
雲が切れ展望開けろ被災地に        凡珠嶺
雲が湧く粗製濫造の歌も湧く        落花生
晴れてくれしかし欲しいな雲の影      落花生
硫黄岳爆裂口の上に雲           苔桃子
赤岳が入道雲を従えて           永 久
野天風呂雲の流れに洗われて        陽 一
濁り湯に助けられたと雲上湯        一 枝

震災を越えて輝く雲の峰          陽 一
雲は行く地上の騒ぎ知らぬげに       落花生

震災に負けぬ気力の山登り         真 澄
3・11僕には友が居る          幸 次
唐松の林の中に溶けるよう         勝 美
震災の話に悲喜もこもごもに        凡珠嶺
似合うかな自己発見の青い帽子       都和子
復興のささかま食べて友やさし       勝 美
再会し積もる話は無事なこと        凡珠嶺
シラビソの香りほのかに友の列       永 久
しらびその友待つ煙たなびいて       凡珠嶺
大震災愛しき人の手を握る         陽 一
あの日から何かをせねば生きられん     幸 次
汚染雨知らずに溜めて手を洗い       勝 美
岩手県・宮城・福島海の底         陽 一
被災地を背負いて登る重たさよ       勝 美
蛍舞う慰霊の灯り胸に抱き         永 久
ヘドロ掻きアンパンマンの縫いぐるみ    幸 次
震災の被害はすべて想定外         真 澄
内風呂のライトに揺れるふたり影      一 枝
稲子の湯喉に染み入るハイボール      凡珠嶺
陶器なら欠ける割れるは当たり前      幸 次
震災を忘れんとして登る峰         陽 一
モモンガも恥ずかしそうに挨拶し      凡珠嶺
菅さんに欲しい大きなヤマネの目      都和子
人生の色は違えど交じり合い        苔桃子
現実が受け止められないなでしこ      幸 次
苦にならず文字を数える山歩き       落花生
国壊れ八ヶ岳には山河あり         凡珠嶺
諦めない夢はジャパンへ持ち帰る      幸 次
震災の地にも咲いたか半夏生        都和子

想定をせずに想定外と言い         凡珠嶺
ことごとく夢と覚えしこの三月       陽 一
ボランティアすべてはやるかやらないか   幸 次

はぐれ雲世間の憂さも消えて去り      落花生
陽が強し雲は欲しいが雨いらぬ       落花生
頂上が見えれど遠し雲の下         落花生
硫黄岳ガスの臭いだ屁のチャンス      落花生
見え隠れ爆裂の壁八ヶ岳          永 久
霧登る積乱雲に八ヶ岳           永 久
霧隠す仲良い夫婦の露天風呂        永 久
雲が来た早く帰ろう山小屋へ        真 澄
あの雲が来たからさあ帰ろう        真 澄
雲流れ明るい陽射しに苦を忘れ       凡珠嶺
雲のよう震災ツメあと隠したい       凡珠嶺
加害者は雲に隠れて害まき散らす      苔桃子
一天を見つめ飲み干すラムネ水       都和子
くだまいてキャップしたまま写真撮る    幸 次
知人だけ助かっても嬉しくない       幸 次
山百合が至るところに三陸道        幸 次
ヤマユリの大群見たよ三陸道        幸 次
ヤマユリの花を見ながら三陸道       幸 次
世界一ホマレ気高き名のとおり       幸 次
なでしこなでしこなでしこさま様よ     幸 次
オフレコを書かれて辞めたお大臣      幸 次
九日で知恵が絞れず辞めた竜        幸 次
B型で九州人やで助けてよ         幸 次
サッカーのスーパーサブとなりきれず    幸 次
極め付きオレが来る前おまえ居ろ      幸 次
もう遅いリスにカモシカ待ちきれず     凡珠嶺
絶好の天気であいつら稜線か        凡珠嶺
ありゃ無料さすが私の行いが        凡珠嶺
超一流あげられ良い気で蕎麦を食う     凡珠嶺
台風もみんなが帰る日を待って       凡珠嶺
松原湖カメムシ逃げ出す真澄さん      凡珠嶺
なんだとうそんなに汚染広がってる?    凡珠嶺
復興の特需に群がる蟻の群れ        凡珠嶺
大津波夢でまみえん君の影         陽 一
野天風呂硫黄か言おう言うまいか      陽 一
愛しさに我が子求めてこの三月       陽 一
大震災山の仲間に助けられ         陽 一
大津波さだめ別れし君と我れ        陽 一
逝きし妻後悔の念今苦し          陽 一
復興に立ち向かう人コマクサに似て     苔桃子
つらいニュースにも峰を仰いで進む道    苔桃子
被災地の人の命も絆でつなぐ        苔桃子
目に見えぬ放射能津波引き知らず      苔桃子
想定外津波のあとの海の静かさ       苔桃子
青空に誇り高き赤岳峰           一 枝
コマクサにこれ以上のいやしなし      一 枝

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