10.8.31増設
日本三大雪渓のひとつ

白馬大雪渓を登り・不帰のキレットを縦走

日程 2010年8月16日〜19日  メンバー 2名

このところ、穂高周辺、立山周辺ばかり歩いていたが、久しぶりに白馬を縦走することとした。
白馬は久しぶりである。前回は、白馬大池〜白馬〜鑓温泉ルートを歩いたんだった。記録を見るともう15年も前である。
今回はオーソドックスに雪渓を登り、唐松岳まで縦走することとした。

ガスの中、大雪渓を登る

暫くすると、青空が見えて来た

白馬アサツキ

シシウド
8月16日(月)
自宅を早朝5時45分に出発。今回はプライベートなスケジュールの関係で、高速料金休日1000円にならないのが残念である。
快調に飛ばして、猿倉9時45分時着。すこし雨がパラついている。少々いやな予感。
止みそうに無いので、意を決して傘をさして白馬尻へ向かう。今日は白馬尻までなので、気は楽。

お盆も過ぎて平日でもあるので、泊り客は少ない。
小屋の人の話では、今年は天候が悪くお盆も登山者は少なかったんだとか。


深山トリカブト

立山リンドウが少し開きかけ

トウヤクリンドウも沢山
8月17日(火)
5時55分、白馬尻出発。残念ながら全面的にガスっている。
さっそくアイゼンをつけて、雪渓を登る。
2年前に大きな落石事故があったためか、小屋の人も登山者もかなり緊張した対応をしていた。
小屋の人は雪渓では休むなと言うし、10人のツアー団体は全員ヘルメットを着用している。
確かに雪渓の落石は音がしないので、防御するためにはヘルメットは有効だと思うが、少々過剰装備ではないかとの感もする。
車にはシートベルト、バイクにはヘルメットと同じように、いずれ登山にはヘルメットが義務化されるのではないかと少々心配になった。

雪渓を登りきったところでも、「ここでは休憩しない」と言う標識が至る所にある。
確かに落石の心配のあるところもあるが、大きな岩陰で落石から逃げられるようなところにもある。
親切心で表示して貰っていることは十分分かるが、昔子供が遊んでいた川辺などに「良い子はここで遊ばない」と言う看板が至る所に掲げられているのと、どこか通じるような気がしてならなかった。
白馬大雪渓といえば、昔は北アルプスの入門コースだったように思うが、今の雰囲気はとてもそうとは言えない状況にある。
決して無謀登山を勧めるものではないが、どこか以前のおおらかな山への郷愁を感じる・・・


久しぶりの白馬山頂もガス

富山市街の夜景

雷鳥が前をトコトコ歩く
白馬は、さすがに高山植物が豊富である。
夏の花はもう終わりで、上へ行くほど秋の花になってきている。
途中グリーンパトロールの人と親しくなって、いろいろ話しこんだ。

11時30分、今日の泊まり、白馬山荘へ到着。
雪渓を登っているときには晴れてきていたのに、今は相変わらずガスの中である。
宿泊の手続きをして、展望レストランで昼食兼休憩。
白馬山荘は一大ホテルのような建物群が出来ており、とりわけ展望レストランはリゾート地の高級レストランを思わせるように天井も高く、調度品も高級そう。
メニューも一級品ばかりだ。まるでヨーロッパアルプスのようだ。(行ったことないけど)
経費は掛かっていると思うが、中高年登山者がほとんどの現状では、これはこれでアリかも知れないとも思う。

少し休憩の後、白馬頂上。
ガスが晴れることを期待して、30分ほど待ってみたが一向に晴れない。
諦めて白馬山荘へ戻る。
白馬山荘は、宿泊棟も結構広い。宿泊棟に自炊設備もある。
夕焼けも残念ながら一面のガス景色。しかし夜は星空が綺麗だった。


天狗岳、この後に大下りが

不帰のキレットの途中で

不帰のキレットを越えて唐松岳
6月18日(水)
朝焼けを期待したが、今日も一面乳白色。
今日は少々行程が長いので、5時半朝食後すぐ出発する。
小屋の人に唐松岳まで行くことを告げると、「あそこは点線の行程ですよ」「天狗山荘でもう一度考え直したほうが良い」と、かなりきつい調子で忠告。
無理も無い、4日ほど前に愛知の29歳の女性が不帰のキレットで転落死しているのである。

<長野県警ニュース24時にリンク>
こちらも、ある程度分かって計画しているつもりである。
不帰のキレットは、同行者は初めてであるが、自分は初めてではない。
登山計画書には、「天候によっては白馬鑓を下る」と明確に記載してきたし、このまま天候が回復しなければ実際、白馬鑓で温泉に浸かるつもりで同行者は水着も持参していると説明した。
しかし、小屋の人の「中高年は危険なところへ行きたがる」との言葉に、すこしムッとしたが、善意に解釈してそれ以上の反論することなくさっさと出発した。
白馬は好きな山で、白馬山荘にも何度も宿泊しているが、若干時代の変化を感じる。

唐松山荘からのブロッケン

八方池は、ガスで幻想的に

ピンクのシモツケソウも鮮やか
8時、天狗山荘に付く頃、ガスが晴れて抜けるような青空となった。
正直、朝の天候では大人しく鑓温泉に下ろうと言う気持ちは半分以上あった。引き返す勇気は探足会のモットーである。
しかしこの好天では不帰のキレットを避ける理由がない。少し休んでいよいよキレットに向かう。

まずは天狗の大下り、少しでも事故を起こせば、「だから中高年は・・・」と言われるのは必至である。
白馬山荘の人の顔を浮かべながら慎重に下る。
続いて不帰の嶮から不帰V峰へと向かう。 確かに高度感があるが、鎖も岩も比較的しっかりしている。
あまり怖がらずに、3点確保を意識しながら進むことが大事だと思う。
天候さえ安定している限り、特に難しいルートとは思えない。

10時半不帰の嶮一峰到着、U峰北峰12時半、U峰南峰からV峰を巻いて、唐松山頂13時半到着。

前回の時の記憶と違って、予想以上に時間が掛かっている。それだけ歳をとったと言うことか、改めて反省。
ウィークディと言うこともあって、対向者は10名くらいしか会わなかった。


夕景の剣岳

唐松山荘からの夕景

八方尾根からの白馬三山

可憐なミヤマキンポウゲ
唐松山荘は、八方尾根を登ってきた人が大勢いた。
白馬〜唐松を歩く人が、いかに少なかったことを実感する。

唐松山荘は追加料金を出すと、本館の個室や夕食に特別料理が付くのだそうだ。
山小屋もそこまで来たかと思ったが、当然普通食を頼んで少し離れた宿泊棟に入る。
夕方になって、またガスが出てきた。今日も夕焼けはだめかと思っていたら、6時過ぎに青空が見えてきた。
わずかであるが、ブロッケンも見ることが出来た。

6月19日(木)
今日も朝は、ガスが掛かっていて朝日は見られない。早々に八方尾根を下る。
八方池までは観光客が大勢登ってきていた。
ゴンドラで下って、タクシーで猿倉まで車を取りに戻り、小日向の湯で山の汗を流す。八方の源泉だそうだ。山を振り返って満足・・・

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