09.8.29

剣岳展望とランプの小屋と
36年ぶりの「しんいちろうさん」との再会

立山・奥大日岳〜大日岳縦走

  • 日程 2009年8月21日(金)〜24日(月)
  • メンバー 2名
  • 行程  <21日> 扇沢=黒四ダム=室堂〜雷鳥沢ヒュッテ(泊) <22日> 〜新室堂乗越〜奥大日岳〜七福園〜大日小屋〜大日岳〜大日小屋(泊) <23日> 〜中大日岳〜大日平小屋〜牛の首〜大日岳登山口−称名の滝−立山駅(泊) <24日> =美女平=室堂散策=扇沢=(帰路)

今年(2009年)6月 に公開された映画、「剣岳点の記」を見たが結構面白かった。
CGだとか空撮だとかいった手法を使わず、オーソドックスに現地ロケばかりで、相当困難な岩場までカメラを担ぎ上げて撮った映像には、率直に感動する。まるで、記録映画のようであった。
若いときに読んだ新田次郎の本を、本棚から探し出してもう一度読んでみた。

剣岳は3回ほど登っているが、あの時の感動が蘇ってくる。
それならばと今年の夏山は、剣岳を展望する山へ出かけることとした。

<赤い文字の写真はクリックすると拡大します>

同宿の大阪の夫婦と東京の単独行者と
雷鳥沢ヒュッテ前

荷揚げするヘリコプタ
新室堂乗越付近からの剣岳

奥大日岳(2605.9m)
バックに剣がみえる
剣岳には、もうひとつの思い出がある。
1973年8月剣岳登頂の帰路に、仙人池ヒュッテに立ち寄った。
ここで肝っ玉母さんのような仙人池ヒュッテのおばちゃんと、野生児のような息子(しんいちろうさん)に出会ったのです。

私たちの勝手な思い入れですが、大変印象深い思い出です。
その時の経過は⇒ 2002年8月仙人池再訪 に掲載してあります。
今回の山行のもうひとつの目的は、「しんいちろうさん」との36年ぶりの再会です。
なんにも連絡せずに突然訪れて、はたして再会できるのか・・・・・


大日岳(2501m)
展望抜群

大日小屋前で
千葉山の会の単独行者と

小屋前からの剣
圧倒的な迫力
8月21日(金) 自宅を出発。残念ながら金曜日のため、休日1000円には該当しないが、通勤割引、平日昼間割引などを使って高速道路を走らす。
いつの間にか高速道路の割引制度は、一杯出来ている。

当初は扇沢で仮眠する予定だったが、少し早く出て立山・室堂まで入り、雷鳥沢ヒュッテで1泊することとした。扇沢から雨になった。

ヒュッテでは、「個室も空いています」と盛んに個室を勧めるが、プライドが許さず相部屋とする。
おかげで、同宿の大阪の夫婦や東京からの単独行者などと、山談義に花が咲き、楽しい一夜となった。
誤算だったのは、持ち込んだウィスキーが、この日に空になってしまったことだ・・・


剣へのご来光
少々雲が多いが感動の瞬間

雷鳥
大日岳にて

レストハウス称名
オーナーと36年ぶり再会
8月22日(土) 夜半までの雨は上がり、今日は快晴。雷鳥沢のテン場を過ぎて、新室堂乗越へ上る。
雲は少々多いが、日差しはキツそう。
チングルマはすでに花の季節は過ぎていたが、そのほかの花はまだ結構咲いていた。

天候が回復したからか、ヘリによる荷揚げが盛んに続いている。
快調に稜線を進む。思ったより、結構アップダウンがある。
しかし、行程的には十分な時間を取ってあるので急ぐことは無い。
奥大日岳 で剣岳を眺めながら少々長めの休憩を取る。

さすがに剣の展望は圧倒的である。
別山からの展望も良いが、剣の展望はこの稜線が一番良い。

早月尾根に早月小屋が見える。
30年以上も前であるが、辛かった早月尾根の昇りが蘇ってくる。泣けてきた。
あの時、当時高かったジョニ黒を瓶のまま持って上がったのに、当時の伝蔵小屋のオーナー佐伯伝蔵さんに、ほとんど飲まれてしまったことを思い出した・・・(泣)


ミヤマリンドウ
(大日岳稜線)

ホソバトリカブト
(大日岳稜線)

シナノキンバイ
(大日岳稜線)
大日小屋には、小屋前にプレハブで増築されていた。
この方面はあまり混まないと思っていたら、最近は結構人気があるとの事である。
これも、映画「剣岳点の記」の影響なのか。
同宿の人もほとんど「剣岳点の記」の話をしていた。確かに 剣岳を展望 するには絶好のポジションである。

小屋に荷物を置いて、大日岳へ向かう。小屋から往復30分、大日岳は展望が抜群である。
頂上で休んでいたら雷鳥にであった。

小屋では、富山からの3人組、千葉の単独行者、大阪の女性3人などここでも愉快な人たちと、暮れていく剣岳を眺めながら歓談する。


ミヤマダイモンジソウ
(大日岳稜線)

ハクサンイチゲ
(大日岳稜線)

タカネコウリンカ
(大日岳稜線)
8月23日(日) 剣岳から上がるご来光を期待してカメラを構えるが、少々雲が多い。
残念ながら赤く染まった剣は撮れなかったが、 シルエットになった剣 もなかなかのものである。

朝食後、大日平へ下る。結構ゴツゴツしていて歩きにくい。
大日平は木道が整備してあって、なかなか気持ちの良いところである。

大日小屋を経由して称名の滝へ降りる。落差日本一だとか、さすがに見事な滝である。
レストハウスへ寄る。ここのオーナーには、寄る事を連絡もしてないので会えるかどうか分からなかったが、訪ねてみると快く時間を取って頂く事ができた。
36年前の事を話し、写真を撮らせていただく。
自分たちの勝手な思い入れであったが、36年ぶりの再会は感激である。


タカネマツムシソウ
(大日岳稜線)

アカバナシモツケソウ
(大日平)

ワレモコウ
(大日平)
8月24日(月) 立山駅前で1泊したあと、再度アルペンルートを使って扇沢まで車を取りに戻る。
その途中室堂を散策していたら、みくりが池付近でも雷鳥に出会った。
アルペンルートが開通して室堂付近では雷鳥が絶滅したと言われていたのに、最近は復活してきているようだ。
すこしアルペンルートを見直す。

今回も思い出が一杯の、4日間の山行ももう終わり。扇沢で車を回収して帰路に・・・・・


ヤマハハコグサ
(大日平)

キオンとベニシジミ
(大日平)

カンチコウゾリナ
(室堂)

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