大正〜昭和の歌人、百瀬慎太郎がこよなく愛した北アルプス・針の木峠を歩いてきました。
針の木雪渓は、白馬雪渓、剣沢雪渓と並んで、日本3大雪渓のひとつです。戦国の富山の武将、佐々成政が豊臣秀吉に包囲されている中を、厳冬期にザラ峠と針の木峠を越えて、駿府の徳川家康のもとへ通ったとの史事は有名です。
今年の夏は猛暑日が続いたので、涼しい山へ行きたいと考えてこの雪渓を登ることとしました。
探足会の友人から同じ時期に誘いを受けていたのですが、日程が折り合わずに独自の山行となりました。
3大雪渓 針の木雪渓を登る |
針ノ木峠の道標 背景は針の木岳(2820.6m) |
四葉シオガマ 蓮華岳(2798.6m)にて |
おりしも白馬雪渓の土砂崩れで遭難事故発生。
よりによってこの時期にと思いながらも、8月21日の夜、ひたすら中央道を走って、立山黒部アルペンルートの基点、扇沢に到着したのが21時半ごろ、若干雨が降っていましたがここで車の中で仮眠。翌日22日は快晴、念願の針の木雪渓を登りました。
六本爪アイゼンが快調に利きます。
その日のうちに、蓮華岳(2799m)も往復、針の木小屋に泊まります。
槍ヶ岳遠望 針の木小屋前にて |
蓮華岳の駒草 |
大文字草 |
次の日は針の木岳(2820m)、スバリ岳(2752m)を越えて、種池まで縦走。 2泊目は種池山荘です。
残念ながら2日目、3日目は、霧雨から小雨のあいにくの天気でしたが、高山植物は綺麗でしたし、エメラルドグリーンの黒部湖も見ることが出来たし、雷鳥、オコジョにも会うことが出来ました。4〜5羽の雷鳥が手の届きそうなくらいに近くにいました。
ほとんど逃げようとしません。思わず踏みつけそうになりました。
こんなに手の届く距離で雷鳥と出会ったのは初めてです。特に印象に残ったのは、新越山荘でした。
暖かいものでも飲もうと休憩に立ち寄っただけなのですが、ビショビショの私たちをストーブのある所に案内していただき、熱いお茶まで出して頂いて、ハンガーも貸して頂いて至れり尽くせりです。
ホットコーヒーを注文したのですが、これも満杯のサービス。
新越山荘、種池山荘、冷池山荘とも同じ経営とのことですが、特に新越山荘は気持ちの良いサービスぶりで強く印象に残りました。
ニッコウキスゲ |
種池手前で会った雷鳥 |
種池山荘前にて |
帰りには大町温泉郷で汗を流し、久しぶりに大町の山岳博物館に立ち寄り、地元在住の著者(中村修一郎)による『北アルプス開拓誌』(郷土出版社発行)を買ってきました。
さらに、これも久しぶりの豊科の蕎麦屋「安留賀」で旨い蕎麦を食べてきました。
後立山連峰を登ったのも久しぶりでしたが、満足の2泊3日でした。