|
念願の鳳凰三山である。南アルプスはあちこち何度も登っているが鳳凰三山だけは登っていなかった。南アルプスを歩いているとオベリスクの話は、良く出てくる。
東方向に見えると良くオベリスクを話題にしている。
鳳凰三山はどちらかと言えば比較的登り易く、関東方面の人にとっては北岳と並んで南アルプス入門コースのひとつらしい。しかし東海地方からは、中部山岳地帯の反対側になっていてアプローチが遠い。
前から是非登りたいと思っていたが、こうしたことから延び延びになっていて、今回やっと実現した。
どうせ行くなら、20年ほど前に行った夜叉神峠から是非行きたいと思って、周回するコースを取った。
小鬼百合(夜叉神峠) |
マツムシソウ(夜叉神峠) |
ヤナギラン(夜叉神峠) |
フウロに良く似た現の証拠(夜叉神峠) |
ホタルブクロ(夜叉神峠) |
キンレイカ(夜叉神峠) |
車を甲府の駅前駐車場にデポ。11時発のバスを予定していたが、9時半のバスに飛び乗り夜叉神へ向かう。
バス停から夜叉神峠小屋へは約1時間、12時に到着した。
ちょっと早いが、朝も早かったのでここで泊り。しかしこれが正解。小さい小屋で混むことを覚悟していたが、この日の泊りは全部で3名。テント泊りも2張り程度。
小屋番も比較的若い人だが気さくで、食前酒にワインが付く山小屋とは思えない夕食の料理に大満足。
8月の終わりで、花の盛りは過ぎていると思っていたが、今年は夏の暑さが続いているためか高山植物は今を盛りに咲いている。
小屋番も、今年は秋の花がいつ咲き出すか分からないと言っていた。ほろ酔いで、暮れなずむ夕日に照らされた北岳と白根三山を見ながら、小屋番との話題は弾む。
北岳の夕焼け(夜叉神峠から) |
食前酒のついた夜叉神の豪華な夕食 |
夜叉神の朝、白根三山が映える |
薬師岳への縦走路からの富士山 |
鳳凰三山のひとつ薬師岳 |
鳳凰三山のひとつ観音岳 |
翌朝、モルゲンロートをカメラに収める。
思い出深い夜叉神の小屋に名残は尽きないが出発の準備をする。
今回の山行のほとんどの目的はこの夜叉神峠で終わった気になるが、やっぱり鳳凰三山縦走に向かうこととする。杖立峠から南御室小屋、薬師岳小屋と順調に進む。
途中富士山が綺麗である。
南アルプスは緯度が低いため薬師岳へ来てやっと森林限界を越える。
天候は最高、薬師岳の展望もすばらしい。続いて観音岳から少々歩きにくいルートをたどって、地蔵岳オベリスクへ向かう。
オベリスクは写真で見ていたのとは違って、かなり大きい岩である。同行者に賽の河原からカメラを構えてもらって、早速登頂に挑戦。順調に岩を登る。
天候が良かったこともあって、南アルプス、八ヶ岳が良く見える。しかし最後の大きな岩まで来ると相当な高度感である。岩はしっかりしているしロープが掛かっているので不安感は無いが、遠くまで見渡せることもあって高度感は相当なものである。(あとでインターネットで調べたところ時々このロープは切れることもあるようだ)
ここはお得意の「引き返す勇気」である。直ちに下山。鳳凰小屋泊り。今日は土曜日でもあってこの小屋はすごく混んでいる。
とは言ってもテント場は満杯だったが、小屋は9割程度の混みであった。
トリカブト(南御室小屋) |
ヒメコゴメ草(観音岳付近) |
八ヶ岳たんぽぽ(観音岳付近) |
鳳凰三山のハイライト地蔵岳オベリスク |
オベリスクに掛かるロープ |
賽の河原に並ぶ地蔵さん |
翌日は降りるだけ。
当初は青木鉱泉へ降りる予定であったが、小屋の主人の勧めで御座石鉱泉へ向かうこととする。青木鉱泉と御座石鉱泉への所要時間はほとんど変わりない。
しかし、鳳凰小屋と御座石鉱泉の経営者は同じで、意図的にいろいろと登山者を御座石鉱泉へ誘導しているらしい。
しかも、青木鉱泉と御座石鉱泉には多少の軋轢があることは、インターネットで検索すると出てくる。こうしたことを承知で、今回は御座石鉱泉へ降りることとした。
途中、富士山や鳳凰三山、八ヶ岳が綺麗に見えた。鳳凰小屋の主人も、御座石鉱泉の主人も話してみると気さくでとても好感の持てる人である。
しかし、車で来る登山者はルートの関係でどうしても青木鉱泉へ向かうようで、どちらかと言えば御座石鉱泉は少々寂れている。
こうしたことから、経営上の苦労が現れているのかもしれない。また、薬師岳小屋では世間話のつもりで小屋番に、「今日は土曜日で鳳凰小屋は混みますかね」と話しかけてみたら、「うちの経営ではないので分かりません」と突っぱねられた。
どうもこの山域の山小屋経営者同士は、あまり良い関係ではなさそうだ。
鳳凰三山はとても良い山域なので、是非協力してこの地域を盛り上げて欲しいと思っているのだが・・。御座石鉱泉で風呂に入って、バスで韮崎へ出て、甲府へ向かう。甲府で車を受け取ったが少々時間が早かったので少し観光見物して帰路へ向かう。
レンゲショウマ(御座石鉱泉への下山路) |
固有種ホウオウシャジン(下山路) |
全域でよく見られた、タカネビランジ |