ここに掲載した川柳は、2006.6.14〜19のマレーシア・ボルネオ・キナバル山行でメンバーが詠んだ川柳です。作者順不動で掲載します。
- 梵珠嶺
- ウイスキーザックに飲ませ夜も更ける
- サミットに悪友集いていい笑顔
- 入国ゲート出してくれよと無理難題
- 酒あれば国際親善何のその
- 機が止まりつられて降りたら大変だ
- 搭乗し異国を感じるユニフォーム
- マレー語に関西なまりの英語もどき
- 5年目の全快祝いに夫婦でキナバル
- あと少し薄い空気に息ぜいぜい
- 登ったぞ4000メートルに朝日映え
- お疲れさん一番言いたいポーターさん
- 分岐点ゴミの山だけが痛ましい
- ボルネオにかっての過ちあちこちに
- さすが南国人の心も温かい
- ここどこだどこでもいいや舟歌だ
- スコールもわれ等のとこだけは避けている
- 万端に頼んだ仕事がみな残り
- 飲むたびに思い出すのはライスワイン
- ボルネオってどこにあるのかと誰れ彼も
- なに急ぐいつもこれからもプランプラン
- 苔桃子
- 失敗も雨に流してキナバルへ
- 高級なホテルにないの歯ブラシも
- ローズピーク岩に朝日が輝けり
- キナバルの雨滝で病も流れ去り
- 半年待ちあっという間の山の旅
- ローズピーク見える山小屋は虹の出迎え
- 星あかり目指すピークに輝けり
- 息切れもすれ違う挨拶に笑顔となり
- 忘れてた自然の恵みの大切さ
- 虫見えずウツボカズラに同情し
- 盛り沢山旅企画びと労に感謝して
- 逞しき自然を壊す愚かさ知る
- 自然との共存示す山の人
- ローズピークの麓に虫待つウツボカズラ
- 大木に命を預け花咲かせ
- ローズピーク七夕仲間に笑顔見せ
- キナバルの木苺ほおばり一息つく
- 登頂し下りは岩の滑り台
- ライスファーム幼き頃のふる里に似て
- 晶
- キナバルの岩峰砕く花可憐
- キナバルの山も動かす我が決意
- 山の神我が旅立ちを許したり
- 澄んだ目はどこかで見たよ二昔(ふたむかし)
- ポーターの澄みし眼(まなこ)の懐かしき
- 年老いて重荷(おもに)背負うかドウスン族
- ポーターの荷物せがめば断られ
- ジャングルで振り向きし娘(こ)のお辞儀して
- 青き空その青のまま子や孫へ
- 澄んだ目をそのまま遺(のこ)し子や孫へ
- 眞澄
- 体力の衰え感じるキナバル山
- 染み込んだウイスキーで品不足
- キナバル山登り口はコキタナイ
- キナバル山ガイドサポート身に沁みる
- 初めての4000オーバーに感激す
- 幸次
- 似たようなキナバルの月伊勢の空
- 有り難いキナバル山に初登頂
- 遠く霞むあれがキナバルもうアカン
- 有り難いキナバル山は登りだけ
- 有り難いキナバル山は降りだけ
- キナバル山そんなに急いでキナバルさん
- 日陰つつじ
- フリースのウイスキーの香夢心地
- 逝きし友思わず偲ぶシマの花
- 助けられまた助けられキナバル山
- キナバルの空にも月が大和にも
- 一枝
- キナバルの山もトイレも世界遺産
- 青空に皆の笑顔も冴えわたる
- 久々の黒髪光るキナバル山
- 疲れ時身に沁む優しさガイドさん
- 裕美子
- 何時だって届けたいのはホントの自分
- 休んだり振り返ったり急いだり
- キナバルの空ある限り雲流れ
- そのままよ月もたのましキナバル山
- 潔さもあり儚さもあるシマの花
- 山の神
- ローズ峰花盛りなり国際語
- 指を折り数えて待って疲れ果て
- リベンジは利尻じゃなくてキナバルで
- ボルネオで日本の昔思い出す
- 夜明け前登って降れば道見える
- キナバルで青年の眼の清らかさ
- 高山病
- キナバルに咲くシャクナゲの可憐さはミヤマシャクナゲにも勝る
- キナバルを下山する乙女は皆スーパーウーマン
- 我が妻の重い身体を支えつつ登りし黒岩さんに感謝
- 私には過ぎたる妻が登り行くキナバルの峰は恨めしきかな
- 北穂にもキナバル山にも登れずに今年は不作の年になるかも
- SH
- キナバル山時間(とき)の経過に驚きおこる
- キナバル山山の形は富士が勝ち
- 秀彌
- 七十の坂転げつつ登る山
- 照れながらまた来たかよと雨降らし
- キナバル山陽気な雨で照れ隠し
- バルサンは花の名と知るキナバル山
- バルサンは登山靴にご挨拶
- マシラウへ駄洒落突っ込み杖となる
- 日本にもこんな山道あったよね
- 雨雲だパランパランがそれ急げ
- ジャングルに日の丸絶えて平和なり
- ラフレシアまた来てよねと顔見せず
- 絞め殺しよそ事だとも思われず
- ポーリンに岩風呂欲しい日本人
- このときとキャノピーク揺らされる
- ライスワイン酔って歌えばここ日本
- 声上げて歌えば窓に子らの顔
- 蒸し飯にニワトリ鳴いて癒される
- ガイドらと酔って肩組む別れの日
- 朗らかにごみ拾う人ここにいて
- 酒好きのガイドのあだ名ヨッパライ
- 英治
- 4000mの思い出残し下るキナバル
- 4000mの思い出抱き還るラパンラタ小屋
- ふらふらで登ったキナバルあとは歓喜
- 一年ぶり友良し酒良し喋り良し
- 睦世
- 川柳パソコンで勉強も間に合わず
- 抱いた不安にかつもらい頂きに
- キナバルの思い出胸に我が家へ
- 急登も可憐な花に助けられ
- 和男
- 永久
- 猛スコールの歓迎吉と出る
- 下着では足りなかった梱包材
- 欠伸出る呂律まわらぬ登山道
- キナバル山頂暦を還(もど)し愛妻(つま)と寿ぐ
- ご退官おめでとさんご登頂
- キナバルの無酸素登頂成功す
- 年5ミリ地殻を破り百万年
- 身に沁みた友の励ましパランパラン
- ガイドさん丁寧なご案内テレマカシ
- 登れたね貴方のお陰強力さん
- 遙か下ゆるゆると雲湧くを見る
- 異次元のロープをたどる氷河跡
- 足嗤うベゴニア一輪下山道
- 虫食い葉思い出したはホウレン草
- 毎食のぶっかけ飯のアラカルト
- 退屈なゲームで寝入り遅刻する
- お夜食の数で判った遅刻人
- 可愛い子ちゃんニーハオと言ったらマレーシアン
- 湧く雲に頂上(いただき)に居た山仰ぐ
- 想いは過去へ興味深々子らの振る舞い
- 靴磨くキナバルの土いとおしく
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