海上の森にしでこぶしを求めて<その1>(98.3.8)

瀬戸大正池にて

<日付> 98.03.08(日)

<行程>

愛知環状鉄道山口駅(9:17)−屋戸橋−四ツ沢(9:40)−物見山(10:40)−山火事注意広場(11:15) − 篠田池(11:50)昼食 −北海上川出合−大正池(13:00)−海上の里(13:10)−四ツ沢(13:25)−屋戸橋−山口駅(13:54) 

<メンバー> 同居人と二人連れ

暖冬で桜の開花も何週間か早いというので、海上の森のしでこぶしの開花も早まるかも知れないと思って、しでこぶしを探しに行くこととした。いつも車で行っていたが、今回はのんびりと電車で行くこととした。

愛知環状鉄道山口駅着。日溜まりはポカポカしているが、風がわりあい冷たく、思ったより寒い。駅前の自動販売器で暖かいお茶を買ってポケットにいれる。 

同じ電車で着いた7〜8人が海上の森方面を目指す。前方には前の電車できた人か20人くらいの集団も歩いている。今回私たちはオーソドックスに屋戸橋から四ツ沢を通って行くことにする。

屋戸橋を渡ったところに「←海上の森」と手作りの看板。しばらくいくと解体工場があるが、いつの間にか閉鎖されており、解体工場が解体されていた。万博に向けて動き出しているのだろうか。まだ、朝早いのでこのあたりには駐車している車はない。

だが、四ツ沢までいくとすでに20台位の車が止まっており、駐車場所は満杯。ここには簡易トイレがある。ここまでが舗装道路。これから山道になる。 

海上川に沿って物見山を目指す。夫婦二人づれや子供をつれたお父さんなど道行く人は多彩だ。中に60〜70才位のおばあさんひとり、聞くと初めて海上の森へ来たという。ザック持たず手に風呂敷包のようなものを持って達者な足で歩いている。 

道すがら花を探してみたが、さすがにまだちょっと早そうだ。つぼみはほとんど膨らんで今にも咲きそうなので、あと2〜3週間もすればキブシやサクラバハンノキ、アセビなどが咲き誇ってくるのだろうか。もっと深く分け行ってみればマンサクなどは見つかったのかも知れない。

物見山の手前で、遠くに雪を頂いた御岳、伊吹山が良く見えた。家へ帰ってから地図で確認したら、もう一つ見えた山は、白山らしい。今日は天気も良くて空気も澄んでいるようだ。

図鑑などを出してぶらぶら行ったので、物見山まで結構時間がかかった。物見山からは鈴鹿連峰が良く見えた。腰にナタを挿した「愛知県森林監視員(?)」のおじさんがいた。

(問)「万博でこの森はどうなるの」(おじさん)「もう測量が始まっているが、わしらにもよう分からん」(問)「この森には道標が無いが」(おじさん)「ここは観光地ではないんだから。本来立入禁止なんだよ。でもわしらはただ見ているだけだけど」と何人かの問いかけに、ニコニコ答えてくれた。

これだけの人が遊びにくる県有林に道標があってはなぜいけないのかと、素朴に思う。おじさんはあそこに見えるのがドーム、あそこが名古屋空港、などと「観光」案内を親切にしてくれた。おじさんどうもありがとう。これからもこの森を守って下さい。

豊田市側から20人ぐらいの団体が登ってきた。そのにぎやかなこと。物見山を後に山火事注意広場方面へ下る。途中何人かのマンウテンバイクと行き違う。ここのところ入山者もすごく増えたが、マウンテンバイクもものすごく増えた。適度にアップダウンがあり、マウンテンバイクには最適のフィールドかも知れない。

山火事注意広場から、小川を渡って林の中を篠田池に向かって歩き出す。途中30人くらいの双眼鏡望遠鏡を持った集団とすれ違う。そうか今日は第2日曜日、日本野鳥の会の探鳥会が行われているんだ。

篠田池は、休憩する場所が広くて気持ちが良い。風もあまりなく、日当たりも良い。ここでお茶を沸かして昼食。食後はコーヒーをつくる。海上の森の中でも特に篠田池はくつろげるところで気に入っている。

お母さんにつれられた4〜5才の子供がきた。「こんにちは」とあいさつをしてくれた。感心な子供だ。こちらからも「こんにちは」と返すうちに、メガレンジャー(?)ごっこをやる羽目になった。走り回って何回も転ぶが平気な顔をしている。うーんたくましい。遊園地なんぞへつれて行くより、こんなところへ連れてこられる方が伸び伸び生き生きしているようだと勝手に解釈した。若いお母さんの子供に対するきちっとした考え方を感じさせられた。万博なんぞのためにアスファルトで固めてしまうより、子供達のためにこんな遊び場所を、ぜひ残すべきだと改めて思う。

篠田池からいつもは物見台へ行くが、今日は気まぐれで北海上川方面へ下った。そして北海上川を遡って大正池に出る。ここでも小さな子供を連れた4人家族が昼食を取っていた。お父さんの手には、手網と釣り竿?らしき物。子供にフナの取り方なんぞを教えていたのだろうか。

大正池から海上の里へ向かう。何台か車とすれ違う。砂ぼこりをかぶるのでこの道は好きではない。海上の里で「海上の森春祭り」の案内を貰う。4月26日(日)だそうだ。面白そうだからぜひ参加したいと思う。

近くに、「無節操の木」というのがあった。万博反対を表明して立木トラストの看板を掲げたが、自民党にくらがえして賛成に回り看板をはずした、参議院議員の末広まき子の木だそうだ。「なんの役にも立たない木、但し議席確保にのみ役立つ」と書かれていて思わず笑ってしまった。

結局、しでこぶしを見つけることができずに四ツ沢へ戻ってきた。ちょっと車は減っていたが、それでもほぼ満杯。解体工場のところではおよそ40台ぐらいの車がぎっしり止まっていた。相変わらずすごい人が入っているみたいだ。

屋戸橋の近くの河原ではバーベキューをしている人たちがいた。大変のどかだ。朝方は寒かったが、この時間になるとぽかぽかして気持ちが良い。山口駅はもうすぐだ。

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